ジーンズが、人生をつないだ話

20年前、一人のお客さんが来た。
細かい要望が多い人だった。
イレギュラーな直しばかりだったけど、
できる限りその場で仕上げるのが俺のやり方で、それを喜んでくれた。
バイクで来てくれるようになって、話すうちにわかった。
お互いバイク乗りだった。
雰囲気でわかる。
同じ匂いがする。
俺がバンドをやっていることを知って、ライブにも来てくれるようになった。
その人は現役を引退する頃、「老化防止に」と言って、若い頃に挫折したギターを弾き直し始めた。
ある夜、生音・生声だけの怖いイベントに来てくれた。飛び入りOKの場所だった。
俺は言った。
「やってみたら?」
その人は俺のギターを持って、やった。
今は同じステージに立っている。一昨日もそのはずだった。
インフルエンザで俺が休んだ。
もう何も言うことはない。立派なミュージシャンだ。
ジーンズを直しに来た人が、20年後に音楽仲間になる。
これがラントンレーブのハッピーだ。




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