「ジーンズは反抗の服だった。俺にとっては、居場所だ。」

1953年。ジーンズは作業着だった。街に着て出てはいけない服。
それを変えたのは不良だった。映画『ワイルドワン』の主人公ジョニー。ライダースジャケット、エンジニアブーツ、ブルージーンズ。体制への反抗、若者の象徴。その格好が一部の不良に広まった。
その後、ウエストサイドストーリーでカラージーンズが登場する。反抗していた世代が親世代になり、ジーンズはいつの間にかカジュアルな服になっていった。
日本では、戦後の闇市。進駐軍の払い下げ品がアメ横やドブ板に並んだ。それを着て「アメ公気取り」と呼ばれた若者がいた。ベトナム反戦の機運とも重なっていた。
俺はずっと素直に生きてきた。
でもその素直さは、どうやら「反抗」と呼ばれる世界の中でしか、ほっとできないらしい。世間という真ん中にいると、時々針で刺されるような感覚がある。「端には棘があるぞ、もっと真ん中を歩け」という、小さな心苦しさ。
ジーンズも同じだと思っている。最初は反抗の服だった。でも俺にとっては、もう反抗の場所じゃない。生まれてからずっと、そこにいる。居場所だ。




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