色落ちが楽しくなるジーンズの話

ジーンズの色落ちとは、自分の生活がそのまま刻まれていくものだと俺は思っている。
紺色から水色へ。その変化の中に、自分がいる。どこで働いて、どう動いて、どんな日々を送ったか。それが全部、色落ちという形で出てくる。
だから同じジーンズを買っても、二つと同じ色落ちにはならない。唯一無二の、自分だけの一本になる。
俗に「いい色落ちじゃない」と言われるデニムでも関係ない。履き込めば、それは俺の色落ちになる。
余談だけど、今の店には重い看板があって、毎日店頭に出すときに右膝の横に当たる。だから俺のジーンズは右膝の横だけ色落ちが激しい。それは今ここで働いているから生まれた色落ちだ。そういうものだと思っている。
そもそも俺がジーンズの色落ちを研究し始めたのは、昔のカウボーイの写真やバンドのミュージシャンの写真を見て「なぜこんな色落ちになるんだろう」と思ったのがきっかけだった。その疑問が今の仕事につながっている。
じゃあ色落ちを楽しむために何をすればいいか。
答えはシンプルだ。
履く、動く、洗う。
それだけでいい。その前にやることがあるとすれば、自分にどんなデニムが合うのかを少し研究すること。生地の触り方、縫製の見方は前回の記事を参考にしてほしい。自分向きの一本を選んで、あとは履き込むだけだ。ジーンズが残りをやってくれる。
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