ジーンズのボタンフライをジッパーに交換した話

ジーンズのボタンフライをジッパーに交換してほしいという依頼が来た。
昨日、久しぶりに手のかかる依頼が来た。
ボタンフライのジーンズをジッパーに変えてほしいというオーダーだ。
奥さんが買ってきたジーンズに、旦那さんが「俺はボタンフライは履かないんだ」と言ったらしい。
その言葉、久しぶりに聞いた。懐かしかった。
そもそも、ジーンズがボタンフライである理由がある。デニム生地は洗濯で8〜10%縮む。ジッパーが機能するには、生地の縮率が3%以内である必要がある。縮む生地にジッパーをつけると、洗うたびに噛んだり動かなくなったりする。だからボタンなのだ。構造的な理由がある。
昔はボタンが面倒だという理由でジッパーへの変更依頼が多かったらしい。でも1980年代末から1990年代初頭、アメカジ回帰の流れの中でボタンフライが「格好いい」とされるようになった。渋カジの時代だ。それ以来、ファッションを気にする人はボタンフライを好む傾向が続いている。
だから今では「ボタンフライは履かない」という人は少数派になった。
でも、その少数派の気持ちもわかる。
生地の縮みを計算しながら、ジッパーが機能するよう仕上げた。手がかかった。めちゃくちゃ楽しかった。
こういう依頼が来ると、この仕事をやっていてよかったと思う。

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